そう、今日で3回目。
2回目の時に初めてお墓に行った。
彼のお母さんに案内してもらって。
彼のお母さんは本当に優しくて。
彼の思い出の品を色々と頂いた。
実家にお線香をあげにも何度も行った。
話も沢山聞かせてくれて、聞いてくれた。
だけど、やっぱり不安になる事がある。
私がお母さんに会う事は迷惑じゃないのか。
気を遣わせて、本当は私の顔なんて見たくないのかな。
彼を亡くした私も辛い。
だけど子供を亡くしたお母さん。
私には想像出来ない辛さだと思う。
まだ31歳。
やっと仕事も落ち着いて。
一人暮らしも始めて。
これからって時に。
想像もしてなかった別れ。
だからどうしても、お母さんに
「ごめんなさい。私が帰らなくて、守らなくて、何もしなくて、アホで、バカで、気づかなくて、ごめんなさい。
ごめんなさい。ごめんなさい。ごめんなさい。」
そう伝えたいんだけど。
どうしても、どうしても。
怖くてその一言が言えない。
いや、言えなかった。
それから、1ヶ月。
何回お墓に行っただろう。
会いたくなると行ってる。
あれからお母さんには会っていない。
もしかしたらもう会えないのかもしれない。
だからごめんなさいが言えなかった代わりにお墓に行く。
そんな言い方するのも変だけど。
彼にもう寂しい思いはして欲しくないから。
だからもちろん今日も。
今日はひとりで。
予約しておいたお花と、大好きなクリアアサヒを持って。
私の家とお墓の通り道に、一緒に過ごした彼のアパートがある。
今はもう空き家になってる。
そこを通らなくても行けるんだけど、お墓に行く時だけは必ずそこを通って行く。
相変わらずの景色。
その中に彼の姿だけがない。
いつもカーテンが閉まってて。
外にはゴミ箱が置いてあって。
楽しい思い出の詰まったアパート。
もう何もなくなってしまった。
正直、涙が止まらない。
もうこのまま何処かに行ってしまおうか。
彼に会いに行ってもいいんじゃないか?
そんな事を考えながら。
今日もその道で泣きながら車で走らせた。
まあ私に彼の元へ行く勇気があれば、とっくに行ってる。
その勇気、私は持ってないから。
自分で分かってるから。
余計に悔しい。
お墓はお寺の奥の方にある。
桶に水を入れて。
すれ違う人に挨拶をしながら。
今日は私が行く直前に誰か来てたね。
綺麗なお花に取り替えてあったよ。
お線香もまだ少し残ってた。
きっとお母さんだね。
良かったね。
いつかここで会えるかな?
そしたら話ができるかな?
彼が大好きだったお母さん。
甘えん坊だったから、何かあるとお母さんに頼ってた。
お花は私のも一緒に混ぜた。
花の系統が似てたから、すごく綺麗で豪華になった。
目立つのが好きだから、きっと喜んでるよね。笑
もうお墓は綺麗になってたから、クリアアサヒだけ供えて。
少し話をして来た。
返事はない。
そんな事もうとっくに分かってる。
虚しいよね。
だけど、ひたすらに話しかける。
ごめんね。
そして、ありがとう。
大好きだよ。
また来るから待っててね。
そう伝えて来た。
明日、待ちに待ったあるものが届く。
ネットで頼んでたんだけど。
まるで月命日に彼が届けてくれたかのように今日連絡があった。
本当は年明けになるかもしれなかったのに。